空き家の固定資産税が上がるのはどんなとき 「6倍」の意味と対処

最終確認日 2026年10月6日

空き家を持っていると「固定資産税が6倍になる」と聞くことがあります。これは、土地の税の軽減(住宅用地の特例)が受けられなくなる場合の話です。空き家だからといって、すぐに税が上がるわけではありません。

もともと、住宅が建つ土地は税が軽くなっている

住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により、固定資産税の計算のもとになる額(課税標準)が低く抑えられています。

土地の広さ固定資産税の課税標準
住宅1戸あたり200㎡までの部分(小規模住宅用地)評価額の6分の1
200㎡を超える部分(一般住宅用地)評価額の3分の1

都市計画税にも、同じ趣旨の特例があります。

出典:総務省「住宅用地の特例」

「6倍」の正しい意味

この特例が受けられなくなると、6分の1に抑えられていた部分が元に戻ります。これが「6倍」と言われる理由です。ただし、次の点に注意してください。

  • 上がるのは土地の税です。建物の税が6倍になるわけではありません
  • 実際に税額が何倍になるかは、土地の広さや評価額、税額の調整の仕組みによって変わります。必ず6倍になるわけではありません
  • 正確な額は、土地がある市町村の税務担当課で確認できます

特例が受けられなくなる3つの場合

1. 市町村から「勧告」を受けたとき

管理が行き届いていない空き家は、市町村から「管理不全空家等」または「特定空家等」と判断されることがあります。どちらも、市町村長から勧告を受けると、その敷地は住宅用地の特例の対象から外されます。

区分どんな状態か
特定空家等そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある/著しく衛生上有害となるおそれがある/管理されず著しく景観を損なっている/周辺の生活環境を守るために放置が不適切、のいずれかの状態
管理不全空家等適切に管理されておらず、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態(令和5年12月13日施行の法改正で新設)

以前は特定空家等だけが対象でしたが、法改正により、その手前の段階(管理不全空家等)でも勧告を受けると特例から外れるようになりました。

2. 解体して更地にしたとき

住宅を取り壊すと住宅用地ではなくなるため、特例の対象外になります。解体を考えるときは、解体後の土地の税がいくらになるかを、先に市町村の税務担当課で確認しておくと安心です。売却や活用の予定とあわせて検討してください。

3. 住宅と認められない状態のとき

国のガイドラインでは、構造上住宅と認められない場合や、使う見込みがなく取り壊しを予定している場合、必要な管理を怠っていて今後人が住む見込みがないと認められる場合は、勧告の有無にかかわらず「本来、住宅には該当しない」ため、特例は適用されないとされています。

勧告までの流れ

ある日突然、勧告が届くわけではありません。段階を踏んで進みます。

  1. 助言・指導:市町村から、修繕や草木の伐採などの改善を求められます
  2. 勧告:指導を受けても改善されないときに出されます。この時点で住宅用地の特例から外れます
  3. 命令(特定空家等のみ):勧告に従わないときに出されます。命令に違反すると50万円以下の過料の対象になります
  4. 代執行(特定空家等のみ):命令に従わないとき、市町村が代わりに解体などを行い、費用が所有者に請求されます

命令や代執行のくわしい流れは空き家を放置するとどうなるにまとめています。

管理不全空家等に対して市町村ができるのは、指導と勧告までです。相続や売買で所有者が変わった場合は、原則として新しい所有者に対して、改めて助言・指導から手続きが進みます。

税が上がらないようにするには

  • 市町村から連絡が来たら、放置しない:助言・指導の段階で対応すれば、勧告には進みません。まず担当課に連絡して、何を直せばよいかを確認してください
  • 定期的に管理する:屋根や外壁の破損、草木の繁茂、ごみの放置などが判断の材料になります。遠方の場合は、家族や管理サービスに見回りを頼む方法があります
  • 使う予定がないなら、早めに方向を決める:売る、解体する、直して貸すなどの方法があり、市町村の補助金が使える場合があります

茨城県の市町村の補助金は、市町村と目的から調べることができます。解体の補助は茨城県の空き家解体補助金、相続した直後にやることは相続した実家が空き家になったらにまとめています。

出典:国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」、国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(2026年10月8日確認)。税額や、空き家がどの区分に当たるかの判断は市町村が行います。個別の事情は、市町村の担当課にご確認ください。